Vol.34 横須賀湘南エリアと相性の良いヤシの木

2024.2.22

庭にヤシの木を植えるときの注意点

横須賀湘南エリアと相性の良いヤシの木。
海風にそよぐヤシの木の姿はいつ見ても癒されます。
ただ、ヤシの木は大きく育つ種類の木でもありますので、植える際に注意が必要です。

1)植える種類に注意

道路際のヤシ

ヤシの木と一口に言ってもいくつか種類があります。そして種類によって育ち方が違いますので、お庭に植える場合よく種類を考えないと後々大変なことになります。

横須賀湘南エリアと相性の良いヤシの木の種類は主に下記です。
・ココスヤシ
・ワシントンヤシ
・フェニクス
・カナリーヤシ

おすすめはココスヤシとワシントンヤシ

玄関先のヤシ

ココスヤシはおに植えられていることが一番多いのではないでしょうか。成長がゆっくりで程よい大きさになります。(とは言えぐんぐん育つと5〜10mになります)

  

■ワシントンヤシは別名パームツリーといい、手のひら(パーム)をパーにしたような葉が出てくるのが特徴。成長もゆっくりですがこちらの木は大きくなると20m程になりますので、管理ができるかよく考えてから植える必要があります。

  

フェニックスはよくホームセンターなどで売られていて見た目の可愛い小柄なヤシです。(売られているときは)ですが、耐寒性がなく外で地植えができませんので要注意。主に鉢植えで育て、冬時期は室内に入れる必要があります。ただ、順調に育つと3m程になるので室内で管理するにも天井に付くほどの大きさになってしまいます。こちらも管理場所を確保した上で選ぶことをお勧めします。

  

カナリーヤシは原産国では20m級にそだつポテンシャルのある木で、日本の気候では5〜10m程と言われています。が、順調に育つとかなり大きくなると思ったほうが良いでしょう。寒さには比較的強いですが、ほかのヤシの木と比べると暖かい気候を好みます。そして葉が硬くトゲトゲなので刺さるとかなり痛いです。葉のボリュームもでますので、に植える際は特に注意が必要です。

2)植える場所に注意

スペインのヤシ

上記のことからココスヤシとワシントンヤシがおすすめですが、それでも植える場所には注意が必要です。
植え込む際の注意点は下記です。
  
・十分なスペースが確保できるか?
ヤシの葉は円形に360度広がります。幹から直径3mは葉が広がると考えましょう。通路やお隣との境界ぎりぎりに植えると通行の邪魔になったり越境したりしてしまいます。
  
・車庫や建物の近くも注意
車庫ぎりぎりに植えると車の出し入れのたびに葉が車体に擦って場合によっては傷が付きます。建物ギリギリに植える場合も、建物の外壁に葉があたり、風で揺れるたびに外壁を擦り傷が残ります。ヤシの木にとっても良いことではないので、何かに当たりそうな場所は避けましょう。
  
・電線に当たらないか
意外と盲点なのでこの電線。小さいうちはいいですが、植えた真上に電線があると成長した時に電線にヤシの木が直撃します。せっかく成長したヤシの木を抜くことにならないよう、上空にも注意しましょう。

3)剪定に入れるか

Gray and green palm shadow phone wallpaper

ヤシの木も植物なので、手入れは楽ですが剪定が必要です。
小さいうちはいいのですが、大きくなってきた時に剪定するためのスペースが確保できるかも考えておく必要があります。
  
ワシントンヤシなど10mを超える植木は梯子では登れないので重機を入れる必要があります。道路に重機を停めるスペースがあるか?道路から重機が届くか?など、様々なチェックポイントがあります。
  
そしてもし大きくなりすぎたヤシの木を抜きたい時にも、重機が届かないと余分なお金がかかります。
  
人が何とか通れるスペースしかない家の裏手側などは植えるのも剪定も、抜くのも通常よりもお金がかかります。場合によっては植え込みに入れないこともありますので、事前の確認が必要です。
   
上記がヤシの木を植えようと考えた時にまず考えるべきポイントです。
意外と事前に想定しておかなくてはいけないことが多いので、プロにお任せいただくのが間違い無いかと思います。
折角ヤシの木を植えるのでたら、長く楽しめる環境を整えて共存していきたいですね。

庭デニング 代表 小山健太郎【筆者プロフィール】
庭dening代表 小山 健太郎
日本デザイナー学院卒業後、8年間店舗・内装設計の会社に勤め、外構専門店で14年間修業し、庭dening(ニワデニング)を設立。ブティック社発行、エクステリア&ガーデン(外構専門雑誌)にて、現場写真を多数掲載される。現代和風・プロバンス風・モダン・ナチュラル風とスタイルにとらわれず数多くのプランを手掛ける。

お問い合わせ特典