Vol.12 日本人の好きな桜は庭には向かない理由

2023.3.22

春も本番を迎え、いよいよ桜の季節となりました。桜の季節には卒業、別れ、出会い等様々な思い出のある方も多いと思います。庭デニングのある神奈川県横須賀市は早咲きの河津桜(三浦海岸桜まつり)が有名ですが、私はやっぱり日本で一番多い品種である染井吉野が好きです。染井吉野は日本にある桜の80%ものシェアがあると言われており、花が大きいのと、一斉に花が咲くという特徴があります。

横須賀城址公園の桜

「散る桜 残る桜も 散る桜」
これは良寛和尚の言葉とされています。桜は咲いているのも美しいのですが、パッと散ってしまう潔さ、はかなさも日本人の美学とマッチしているのかなと感じます。

さて、こんなにも日本人に人気のある桜ですが、お庭に桜の木が植えてあるのを見かける機会はそんなにないはずです。私ども外構デザイナーも桜の木をご提案する機会はお客様の希望がない限りありません。
本日はそのあたりの理由についてお伝えしたいと思います。

外構デザイナーが桜をオススメしない理由

1.桜は実は大木に育つ

桜の木はとても成長が早く5年で高さが4メートルにもなります。枝の先端まで入れた幅は10mにもなり、よほど大きな庭でない限りお隣の敷地や道路にまではみ出してしまいます。そしてコンパクトにまとめようと剪定をするとそこから病気になって腐ってしまうという弱い面もあります。

2.桜の根は家を壊す

成長が早い桜の木は根も立派に育ちます。公園の桜をイメージしてみてください。根から少し離れないとお花見のためのシートを広げられないほど根が立派に育っていると思います。この根が家の基礎や敷地境界の塀を壊す原因となるのです。

3.桜の花、葉の掃除が大変

桜の花はパット散るのが美しいと書きました。それは見ている立場の意見で、散った花を片づける必要があります。そして、秋には葉も散りますので落葉のお掃除も・・・

4.桜は虫が付きやすい

桜は毛虫がつきやすい樹木として有名です。この毛虫自体は人に害を及ぼすものではないのですが、庭に毛虫がふんだんにいるというのは少し落ち着かない人が多いのではないかと思います。

いかがでしたか?普段公園でお花見をする分にはきれいな桜もご自宅に庭には向かない樹木だというのをご理解頂けたかと思います。

天の川どうしても桜を植えたいというお客様もご安心ください。様々な庭のデザイン経験のある私が、お客様のお庭にぴったりの桜の木を探し当てます!(桜の中にも小型の品種があります)

こちらから神奈川県横須賀市、横浜市、湘南エリアを中心とした施工事例写真をご覧いただけます。

庭デニング 代表 小山健太郎【筆者プロフィール】
庭dening代表 小山 健太郎
日本デザイナー学院卒業後、8年間店舗・内装設計の会社に勤め、外構専門店で14年間修業し、庭dening(ニワデニング)を設立。ブティック社発行、エクステリア&ガーデン(外構専門雑誌)にて、現場写真を多数掲載される。現代和風・プロバンス風・モダン・ナチュラル風とスタイルにとらわれず数多くのプランを手掛ける。

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